エリー:E: 安田さん:Y:
安田早織さんにフラワーアレンジメント留学の体験談をお聞きしました。
エリーのフラワースクールのフラワーアレンジメント留学のきっかけを作った生徒さんです。とても積極的な生徒さんで、フラワークラス以外でも、私の活け込みの仕事の方のアシスタントも経験されました。 本当にNY生活をエンジョイされていたようです。
安田さんは、3ヶ月の旅行者ビザをとって、3ヶ月でベーシックコースを終了されました。
そして今は、安田さんの新しい将来へ向けての挑戦に加えて、フラワーアレンジメントとしての仕事もまた、入ってきているようです。
E:
フラワーアレンジメントを習おうと思ったきっかけを聞かせてください。
Y:
一番最初のフラワーアレンジメントとの出会いは、小学生のときでした。母が習い始めたのを見て、「いいなぁ、いつか大人になったらやりたいな、」と思いました。そして、大人になって勤め始めてから、ラッピングの教室に通い始めました。その横で、フラワーアレンジメントの教室をたまたまやっていたのを見て、本気でやってみたくなってきました。
でも、不思議に、フラワーアレンジメントを始めるなら、絶対外国で習うのが最初と思いました。なぜか、自分では、日本で最初に習いたくなかったんです。
E:
それは、おもしろい発想ですね。どうして、まずは外国で習い始めよう思ったのですか?
Y:
フラワーアレンジメントの本を見ると、日本で見るフラワーアレンジメントとは、まるで花の種類や色使いが違っていることに気づきました。私の目には、明らかに日本人の活け方と違って見えたので、その外国の活け方に憧れてしまいました。
私が読んだある本の中に、「日本人である限り、外国でお花を活けても、日本人テイストは、こころの中に入っているものだから、どうしても出てくるものだ」とありました。「そうか、それなら、実際に私の場合もそうなるのかな?」と、とても興味を持ちました。
E:
そうですよね。エリー自身、それは感じています。安田さんは、すごく探究心が強いのですね。それで、どうしてニューヨークでフラワーアレンジメントを学ぶ気になったの?
Y:
本を見て、私の中でNYスタイルというものが、個性的でその人のスタイルが出ていて、みんな同じにならない活け方、というイメージができていました。
ロンドンなどのヨーロッパ調のスタイルは、全体的に淡い色使いで、いわゆる“標準的!にきれい”って感じがしました。でも、私は、個性を重んじる活け方に惹かれたんです。
E:
ニューヨークの住み心地はどうでしたか? 選んで正解でした?
Y:
NYは、とっても楽しかったですよ。その前にカナダに6ヶ月ほど、英語の勉強のために滞在したのですが、もう、そのときから早くNYに行きたくてたまらなくなっていました。
NYには、自分を試せるって感じがあるんです。東京は、日本中から夢を持った人が集まる街ですよね。でも、NYは、世界中から人が集まってくる。みんなエネルギーがあって、パワフルで、そのパワーをすごくもらえる街です。
自分には、この方があっているって思います。NYって、いい意味で他人に干渉をしないところなので、とても楽に生きられました。言葉が通じないのに、“結構笑える!”という街ですよね。そこがとても気に入っています。
それと、NYに来た目的は、他にも、デザインやアートを実際に見たかったからです。たくさん見て、とても勉強になりました。それから、もう一つあります。それは、自分探しのため。NYの雰囲気を実際に自分の肌で感じたかった、というか。。。そう、なぜか、自分の可能性が広がるような気がしたからです。それで、実際にNYに行って見て、まったく想像以上でした!
E:
まぁ、それはエキサイティングな感じがしますね。ものすごく、安田さん自身がレベルアップしたって感じが伝わってきました。それから、フラワーアレンジメントを習い始めてどうでしたか?
Y:
実際に、じゃぁ、どこのフラワースクールがいいのかな、ってわからなくて、ネットで、カナダにいるときに探してみたんですが。。。ネットだとどうしても雰囲気がわからないから、実際に、自分でNYに行ってみて、それから決めようと思いました。
そこで、最初に、気に入ったNYの花屋に飛び込みで行ってみたのですが、フラワーアレンジメントは教えないといわれました。
ちょうどそのとき、エリー先生のスクールのクリスマス特別アレンジメントの募集があったので、即、申し込みました。実は、生まれて初めて花バサミを持ったような超初心者だったのですが、とても楽しくて、体験したその日からすぐに習いたい、と思うようになりました。
E:
そうでしたか。あのときが始めてだなんて思えないくらい、上手でしたよ。それでは、実際にフラワーレッスンを進めてみてどうでしたか?
Y:
習い始めて、全く自分の思ったとおりにいかないことがよーくわかりました。フラワーアレンジメントの奥の深さがわかって、これは自分できちんとできるようになりたい、とかえって強く思うようになりました。
フラワーアレンジメントは、自分の心がそのまま表れる、と思います。心が落ちつかないときにやったら、その状態がお花に現れてびっくりしました。その意味で、お花を活けるときは、自分と向きあう時間となりました。集中してできるので、お花と対話するという感覚が次第にわかるようになりました。
また、自分自身と向き合っているときに、花の癒しがもらえた気がしました。うまくできたときには、感動がありました。作品が1個1個できていくのが、とっても嬉しかった。
エリー先生のところで最初のラウンドのセンターピースを活けたとき、くやしくなりました。簡単そうでむずかしかったので、思った通りにならなくて、これはもう絶対にできるようになりたい、と本気で思ったんですよ。
エリー先生は、まず自分で活けてみなさいというスタンスなので、あまり途中で口出ししませんよね。私は、途中で口を挟まれるとやる気がうせるタイプだから、私のやり方にとてもあっていました。
E:
そうでしたか。安田さんは、とても丁寧に、そして真剣にお花を活ける方ですよね。いつも感心していました。ものすごく上手になられて、そして、とうとうベーシックコースを終了されましたね。そのときの感想は、どうでしたか?
Y:
徐々にコツをつかんでアレンジできるようになっていったので、楽しかったです。ベーシックコースを終えようという目標があったので、達成感がありました。ベーシックコースの修了書を先生が日本の自宅まで送ってくれて、受け取ったときは、それはもう嬉しかったです。
私は、またNYに行きたいと思って、今、頑張っているところです。次のレベルにぜひ進みたいと思っています。最初のころは、一生懸命だったけど、今は「花を楽しむ」に変ったと思います。
E:
そうですか。それを伺って、エリーもとても嬉しいです。安田さんの将来の夢はなんですか?習ったお花を生かしたいですか?
Y:
もちろん、将来の自分の家を花のある生活にしたいと思います。お客さまが来た時には、きれいに花を飾ってお迎えしたいです。
今現在、オーガニックストアで、調理法を習ってお惣菜を作っています。食材の勉強をしているところです。それを将来につなげるつもり。私は、ラッピングコーディネーターの資格もとったので、将来は、それと花を組み合わせて、そしてそれに、オーガニックのカフェも開いて、つまりは自分のお店を持ちたいという夢を持っています。
そうそう、エリー先生、この前、友人の結婚式のお花を仕事として頼まれたんですよ。
E:
えーっ、それはすごいですね。ベーシックコースを終わったら、もちろん基礎を応用すればできることですが、たいしたものですねぇ。他の生徒さんにも、ベーシックコースのラウンドブーケを妹さんや、お友達に作って差し上げたかたもたくさんいますよ。私も実は、そうでしたから。
どれどれ、お写真を見せて?
Y:
ウエディングブーケ・ブートニア・ヘアーコサージュを作らせてもらいました。かわいく、元気に、黄色ベースでという希望を受けて、それに沿えるように自分らしくアレンジしてみました。
ブーケホルダーを使用したのですが、サイドに出したグリーンの茎とガーベラの茎をまわりに張り巡らせて、上からリボンでアレンジして花束っぽく!?してみました。
リボンにはネイルアートで使われるきらきらのシールみたいなものをくっつけて
ちょっと遊んでみました。
とても喜んでもらえました。そうしたら、また今度、別の友人から結婚式のお花を頼まれました。まぁ、どうしましょう、という感じです。
E:
すごいじゃないですか。どんどんやってください。アメリカでは、気に入ったフラワーデザイナーに結婚式のお花を頼むのが風習です。1つのウェディングを成功させると、それから5つの仕事がくるといわれていますからね。頑張ってください。
Y:
ありがとうございます。またアドバイスくださいね。エリー先生のところで習って、つくづくとてもよかったと思っています。
実は、日本に戻ってから、日本でフラワーアレンジメントをしていた友人に自分のアレンジの写真を見せると、全然違うって言うんですよ。日本は、資格をとる協会の力が強いように思います。ラインとか、枠どおりにきちっとしていないとダメらしいことがわかりました。お花の順番とか、リボンの作り方とか後ろから前に順に挿していかなくてはいけないとか、奥行きをあまり重視しないとか、とても約束事が多いような気がします。もし、エリー先生もそうだったなら、私は続けなくなったかもしれない、と思いました。
ですから、これからもどうぞよろしくお願いします。
E:
こちらこそ、よろしくね。基礎がきちっとできていれば、後は自分らしいアレンジができるようになると楽しいですよね。私は、それが本当のフラワーアレンジメントだと思っています。ただ、キレイだけじゃなく、いきいきとした活け込みができるようになるといいですね。これからも、頑張ってください。そして、またNYに来てくださいね。待っています。
追記:
後日、安田さんから、第2回目に引き受けた結婚式のブーケの写真が届きました。
ぐっと大人っぽく、エレガントさを増したブーケになりましたね。とてもステキです。
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